実需用では不十分?一棟収益物件に特化した査定書システムがない理由

不動産営業において、一棟アパートやマンションなどの「収益物件」の査定に頭を悩ませていないでしょうか。
実需用の査定書システムは世の中に数多く存在しますが、「一棟収益物件に特化した使い勝手の良いシステムが見当たらない」という声が現場から多く聞かれます。
本記事では、なぜ収益物件特化の査定システムが市場に少ないのか、その業界の裏側と、既存システムに対する現場のリアルな不満、そして中小不動産会社が大手に勝つための戦略についてお伝えします。
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実需用の査定書システムを一棟収益物件に流用できない理由
実需と収益物件では「評価の基準」が根本的に異なる
実需用の物件査定では、主に周辺の「取引事例」が価格算出のメインとなります。
しかし、一棟収益物件の場合はそれだけでは不十分です。
収益物件の査定においては、取引事例に加えて、土地建物の価値から算出する「積算価格」や、将来生み出す利益から算出する「収益還元法」など、多角的な評価指標を組み込む必要があります。
投資家が求めるシビアな目線と情報量
実需の顧客と異なり、物件を購入する投資家は「表面利回り」だけでなく、満室想定や空室リスク、修繕履歴などを加味したシビアなデータと根拠を求めます。
そのため、実需用の簡易的な査定システムで無理やり作成した査定書では説得力に欠け、投資家の信頼を勝ち取ることは困難です。
なぜ「一棟収益特化の査定システム」は市場に少ないのか?
大手不動産会社は自社システムを外部に流通させない
市場に特化システムが少ない最大の理由は、業界の構造にあります。
実は、財閥系などの大手不動産会社は、豊富な事例をもとに独自の収益物件用査定システムをすでに持っています。
しかし、それらは自社の社内システムに完全に組み込まれているため、外部の市場に流通することは絶対にありません。
開発ハードルが高く、現場の要望を満たせる会社が少ない
大手のシステムが使えないとなると外部のツールに頼ることになりますが、収益物件の査定は評価指標が複雑であり、開発ハードルが非常に高いのが実情です。
現場の不動産会社が「一棟収益の査定書をもっとブラッシュアップしてほしい」と要望を出しても、必要な機能を兼ね備えたシステムを開発してくれる会社がなかなか現れないという背景があります。
既存の査定書システムに対する現場の不満とリアル
機能不足による「システムの乗り換え」が多発
現在市場にあるいくつかの査定書システムを導入してみたものの、「一棟収益用としては機能が兼ね備えられていない」という不満を抱えるケースは少なくありません。
実際に現場では、ある査定システムを導入したものの、数年で「求めている機能がない」と使用をやめ、また別のシステムに乗り換えるといったことが頻繁に起きています。
結局、自作や手作業に戻ってしまうジレンマ
既存のシステムでは現場の細かな要望(積算や収益還元の細かな調整など)を満たしきれないため、結局システムを使うのをやめて、自作のフォーマット等での手作業に戻ってしまう不動産会社も多いのが実情です。
これでは業務の属人化から抜け出せず、営業マンの負担は増える一方となってしまいます。
中小不動産会社が一棟収益の査定で大手に勝つための戦略
業界にないなら作る!新たに開発される「特化型システム」の活用
大手がシステムを抱え込み、既存ツールに不満が残る中、一部では「現場が本当に欲しい機能がないなら自社で作ってしまおう」という動きも出てきています。
現在、強い特化型システムがない市場において、現場のリアルな声を反映させた「一棟収益特化の査定システム」を独自に自社開発するような事例も生まれています。
こうした最新の特化型ツールにアンテナを張り、いち早く取り入れることが競合優位性につながります。
機能だけでなく「提案力」で差別化を
システムで算出される正確なデータはあくまで武器の一つです。
中小企業が大手に勝つためには、そのデータをもとに「どうすればこの物件の価値を最大化できるか」という独自の販売提案や、投資家目線に立った細やかなサポートを添えることが重要です。
まとめ
一棟収益物件の査定においては、積算価格や収益還元法など複雑な指標が絡むため、実需用システムでは太刀打ちできません。
大手企業が独自の査定システムを外部に出さない以上、中小企業は現場のリアルな課題を解決する「一棟収益特化の査定システム」を見極め、導入していく必要があります。
既存システムの機能不足や乗り換えのジレンマから脱却し、正しいツールと独自の提案力を掛け合わせることで、投資家からの信頼を獲得し、売上拡大につなげていきましょう。


