田舎の物件は法人が買わないは嘘?地方エリアの「法人買取割合」と「所有権移転までの長期化」のリアル

「地方や田舎の物件は、法人の買取再販業者は見向きもしないだろう」 不動産営業の現場において、このような思い込みを抱いていませんか?
需要が少ない地方エリアでは、一般市場で売れない場合に「業者買取」という選択肢も提案しづらく、結果として案件化を諦めてしまう営業担当者も少なくありません。
しかし、全国の所有権移転データを紐解くと、地方不動産市場における「法人買取」について、現場の感覚とは異なる意外な事実が浮かび上がってきました。
本記事では、データから見えた「地方エリアのリアルな法人買取割合」と、地方特有の課題である「売却までの長期化」の原因を解説します。
さらに、長期化する案件をマンパワーに頼らず案件化に導くための、システムを活用した追客の仕組み作りもご紹介しますので、ぜひ地方エリアでの営業活動にお役立てください。
【データ検証】全国どこでも「約30%」は法人が買い取っている
まず、「田舎の物件は法人が買わない」という認識は、データ上では明確に間違いであると言えます。
都市部と地方で「法人買取の割合」は変わらない
所有権移転が決まった物件のうち、新所有者が法人である割合を抽出すると、全国平均で約30%以上という高い水準になっています。
例えば、東京などの都市部を見ると約36%が法人に買われていますが、岡山県や高知県といった地方エリアであっても、法人が買い取るパーセンテージ自体は約30%前後と、都市部とほとんど変わらないというデータが出ています。
つまり、「田舎だから業者が買わない」わけではなく、地方であっても3割の物件は最終的に法人が買い取って事業化しているのがリアルな実態です。
なぜ田舎の物件は「所有権移転までの期間」が長期化するのか?
買取割合は同じでも、都市部と地方では明確に異なる課題が存在します。
それは、市街化調整区域が多い都道府県や地方エリア(田舎)になればなるほど、所有権移転が完了するまでの「平均日数」がどんどんと長くなっていくという点です。
この日数が長期化する背景には、主に2つの理由があります。
理由① 一般市場で売れ残り、最終的に買取へシフトするため
都市部で最初から買取を前提として進めた場合、早ければ50日〜70日という短期間で所有権移転が完了します。
しかし地方の場合、まずは一般市場で売りに出したものの数ヶ月間売れず、最終的に法人が買い取るという流れになるケースが多く、結果として移転までに200日以上かかってしまうなど、日数が大きく延びてしまいます。
理由② 業者側が「金額を叩かないと事業化できない」ため
地方の物件を法人が買い取って再販する場合、業者側としても「金額を叩かないと(安く仕入れないと)事業として成り立たない」という厳しい現実があります。
そのため、売主との価格の折り合いがつくまでにどうしても時間がかかり、交渉が難航しやすくなります。
期間が長引くにつれ、売主自身も「もう一般では売れないんだな」と諦めムードになっていく傾向があります。
地方の長期戦を制する!データを用いた営業ノウハウ
このデータを現場の営業にどう活かすべきでしょうか。
経験豊富なベテラン営業マンほど、地方の条件が悪い物件や、温度感の低い反響に対して「どうせ売れないだろう」と初期段階で見切ってしまいがちです。
しかし、実際には時間をかければ約30%が法人によって買い取られています。
最初から「地方の物件は時間がかかりますが、最終的に約3割は法人が買い取っています」という客観的なデータを売主に提示し、一般売却と並行して買取の選択肢を提案しておくことで、売主の期待値を適切にコントロールし、他社への流出(他決)を防ぐことができます。
マンパワー不足を防ぐ!「MAツール×電話」の追客自動化
地方特有の「長期戦」を勝ち抜くためには、マンパワーだけで追い続けるのには限界があります。
そこで重要になるのが、システムを活用した中長期の追客の自動化です。
MAツールで「認知」を自動化する
長期間にわたる追客を手動で行うと、必ず対応漏れが発生します。
「プロポクラウド」などのMA(マーケティングオートメーション)ツールやステップメールを導入し、定期的に市況データや売却のノウハウを自動配信する仕組みを作りましょう。
これにより、売主が「やっぱり価格を下げて買取にしようかな」と考えたタイミングで、常に自社がトップオブマインド(第一想起)にいる状態、つまり「認知」を保ち続けることができます。
最終的な「刈り取り」は電話で仕掛ける
ただし、ツールによるメール配信だけでは媒介やアポは獲得できません。
ツールはあくまで「認知」を高めるためのものであり、最終的な「刈り取り」は人間が行う必要があります。
メールの開封率が高まったタイミングや、一般市場に出してから3〜4ヶ月が経過し、売主が諦めムードになり始めた絶好のタイミングを見計らい、ピンポイントで「電話」をかけて買取の打診などを行う。
この「システムの自動化(認知)とアナログ(電話)の掛け合わせ」こそが、長期化する地方エリアでの案件化を最大化する秘訣です。
まとめ
「地方の物件は法人が買わない」という誤った思い込みで初期対応を諦めてしまうと、大きな機会損失に繋がります。
全国どこでも約30%は法人が買い取るという事実をベースに、長期戦になることを前提とした営業提案を行うこと。
そして、MAツールで自動的に接点を持ち続け、最適なタイミングで電話による刈り取りを行うという「仕組み」を構築することが、これからの地方不動産営業には不可欠です。
本記事のデータとノウハウを参考に、ぜひ自社の追客フローを見直し、取りこぼしていた地方案件の確実な収益化に繋げてください。


