他決した売主を追客する方法
本日は少し趣旨を替えて、「他決追客」についてです。
皆様は他決した案件をどうしてますか?
ほとんどの不動産会社様は諦めてると思います。
ただ、他決追客は成功すれば、既に他社である程度の現実を知ってもらっているので、成約する可能性が非常に高いです。
確率は低いですが、ここも是非実施いただければと思います。
では具体的にどのようにすればいいのでしょうか?
私の考えですが、他決理由が金額負けという売主を想定してストーリーを作ります。
この場合媒介きり替えで一番多いタイミングは半年です。
最初の3ヶ月は高預かりの不動産会社へチャンスを与えますが、2回目の更新で業を煮やし切り替えを検討します。
この時に一般媒介に流れるケースが多いですが、ここを専任で取り切るというストーリーです。
このために必要なことは、2回目の更新時期から逆算して、アプローチをすること。
私のクライアントでは、下記を実施していくつか成果を出しています。
➀他決が判明したら「売却活動チェックシート」と、売却に関する書籍を送付
➁1週間経過後、レインズの登録証明が交付されているかメールで注意喚起
また、ここから毎週周辺の売出や成約情報を送付
③1ヶ月経過後、営業活動報告書の内容がしっかりしてるかメールで注意喚起
④2カ月半経過後、一度電話して状況確認
不満があるようであれば、再度売却に関する書籍を送付
⑥5か月経過後、電話で状況確認
➀に関しては、下記のようなチェックシートを送付します。
他社がちゃんと営業活動をしているか、売主に能動的にチェックいただくためのシートです。
併せて、机上査定の項でご紹介した不動産売却に関わる書籍を送り、売主に知識武装してもらいます。
ここから1週間経過したら、➁のレインズの登録証明が手元に届いているか連絡します。
「登録後速やかに届くのが普通」という体の連絡です。
ここをおろそかにしている不動産会社様は結構いるため、もし遅れているようであれば不信感を植えつけることが出来ます。
更にこのタイミングで、毎週周辺の売出事例や成約事例を郵送で送付します。
他社が専任媒介の場合、営活が2週間に1回になるため、それより多く状況を共有することで、他社より「ちゃんと動いてくれる会社」という印象を植えつけます。
1か月経過後、③の営業活動報告書についての注意喚起を行います。
通常、
・ポスティング配布枚数
・ポータルサイトの閲覧、問合せ状況
・自社顧客への紹介状況
・他社からの電話確認の回数
を報告しますが、もし報告がないようであれば確認したほうがいいかもしれません。
という内容です。
営業活動報告書をしっかり作ってる不動産会社は稀なため、ここでも不信感を蓄積することが出来ます。
※自社もしっかりしなければいけないことが前提となります
2カ月半経過したら④の状況確認です。
ここではあくまで状況伺いに徹しましょう。
不満があれば売主から出てきます。
ここで不満がないようであれば、追客終了です
なお、不満が出てきたとしてもここで切り替えの話しをせず、○○会社はいい会社と聞いてるから、もう少し頑張ってみては、という話しで着地させます。
あくまで売主から能動的に切り替えの話しが出てくるようにするためです。
更に追加で「勉強してほしい」という体裁で、不動産売却に関する本を送ります。
もちろん本は➀送付時のものと変えてください。
ここまで実施し、あとは5か月目で切り替えという選択肢があるということを説明します。
売主は4か月目で意思は確定してますが、契約があるという大義名分で揉めるのを防ぎつつ、一般媒介に流れないギリギリが5か月目のためです。
以上が他決案件の追客です。
この話をすると「抜き」じゃないか?と言われますが、ポイントは切り替えしてほしいとは言わないこと。
あくまで、セカンドオピニオンとして情報提供者の立ち位置に徹することです。
もちろん、販売がうまくいったり、他社に不満がなかったり、競合と仲がいいから出来ないというケースがあるため、100発100中という訳ではありません。
ただ、他社に不満があっての切り替えは、案件としての確度は高い傾向にあるため、ここを逃す手はありません。
どの会社様でも出来るわけでは無いと思いますが、しがらみが少ないとすれば是非試してみてください。