【不動産会社向け】一括査定導入のデメリットは「質が低い」こと
今回は「一括査定導入のデメリット」について。
結論から申し上げますと一括査定導入のデメリットは「質」が低いということ。
特に従来から紙媒体で売り反響を獲得してきた不動産会社様は感じやすいと思います。
私も以前一括査定を利用する側でしたが、その時の印象として、
- 価格だけ知りたい人が多い
- 電話はいらない
- 連絡してもレスがない
といった印象が強く、最初のころはなんだこれと思った記憶があります。
でもあの長い査定フォームの入力を、めんどくさがらずにしてくれた方々です。
なんでこんなことが起こるのでしょうか?
私は2つ理由があると思います。
➀一括査定媒体側の集客の仕方に問題があるケース
まず一つ目は一括査定媒体側に問題があるケースです。
「一括査定で300万高く売れた!」
「半年売れなかった不動産が3日で売れた!」
上記のような煽りが強い広告で集客をするケースはいまだに散見されます。
ただ、紙媒体での集客でもこういった煽りを使うケースはあり、実際に売却に繋がることも多々あるため、最後の一押しとして一概に悪いわけでは無いと思います。
一番問題があるがあるのは、査定依頼に対してインセンティブを付与するケースです。
今は少なくなりましたが、
「査定依頼でTポイントプレゼント」
「査定を申し込むとキャッシュバック」
のような形で、査定依頼自体にインセンティブを付ける媒体が過去ありました。
かなりの量の集客は出来たそうですが、「質」に関しては言わずもなが。
中には不動産を持ってない人の査定依頼もあったそうです。
この手法は不動産会社様からのクレームが大量に届き、今は使ってるところはほとんどなくなりましたが、少し前若干手口を変えて行っているのを見つけたことがあります。
(ランサーズというフリーランスに仕事を頼めるサイトで、一括査定のモニターという体で集めていました)
利益を考えると安く集客する必要があるというのは分かりますが、実際にお金を払うのは我々不動産会社。
もう少し考えていただけると大変助かると思う今日この頃です。
売主側の行動に焦点を当てる
さて一括査定媒体の集客の問題に言及しましたが、今度は売主側の行動に焦点をあてて説明します。
➁売主が一括査定に求めることにズレがある
各一括査定媒体も言っていますが、一括査定をマーケティング業界で使われるファネル分析に当てはめると下記のような形になります。
要は、紙媒体からくるお客様は「売却することは決まっていて、どの不動産会社に任せるか決める段階」、一括査定からを利用するお客様は「まだ売却することが決まってないが、将来的に売る将来的に売却する可能性がある」ということです。
その為、一括査定からくるお客様に対して、売ることを前提に話しを進めると、ズレが生じてしまいます。
客付け中心でやっていたとしても、買い替えであったり、過去買いの仲介をしたお客様の自宅売却であったりと、多かれ少なかれ売主向けの営業はされたことがあるかと思います。
ただ、上記のようなケースは、ほとんどの場合、売却することは決まっていて、かつ自社を選んで貰える土壌がある状態です。
一括査定に関しては、そもそも売却することが確定していなく、売却するとしてもどこに販売を依頼するかフラットにお客様は考えています。
その為、何故売却するまで長期間お付き合いする必要があり、自社を選んでいただけるようアピールをする必要が出てきます。
このような営業活動は、ほとんどの不動産会社様もあまりやったことが無いため、今まで通り売却することを前提に営業活動を進めてしまい、お客様との間でズレが生じて締まっているのです。
以上、2回に分けて一括査定のデメリットである「質」の低さの理由を説明させていただきました。
一括査定媒体の集客に問題がある場合は正直打つ手がありません。
強いていうなら、媒体を変えることくらいです。
※弊社では一括査定各社の「質」を定量的に計測しています。
ご興味あれば下記ご覧ください。
ただ、売主とのズレに関していうと、不動産会社様側で対応できることはたくさんあります。
しっかり対策をすることで、一括査定だけで営業をしている不動産会社もいらっしゃいます。
弊社コンテンツやサービスでは、その対策に焦点をあてています。
引き続きご参考にしていただければ幸いです。