机上査定で差別化する具体的な方法「価格編」
机上査定の具体的な差別化はどんなものがあるのでしょうか?
一つずつ見ていきます。
◆価格
まず代表的なものは「価格」です。
どの不動産会社も特に労力をかけず、すぐに取り組めます。
一括査定を依頼する売主の一番の感心毎は「価格」です。
自分の所有不動産がいくらで売れるか気になっています。
そんな中、自分の想定より高い価格を提示されたら、期待に胸がふくらみその不動産会社に任せてみようと思うのは自然なこと。
「価格」訴求は売却査定において、非常に優れています。
ただ、不動産会社様目線でいうと、媒介がゴールではなく、あくまで売買契約を成立させ、仲介手数料をいただくことが最大のゴールとなります。
そのゴールから逆算すると、高値預かりはリスクでしかありません。
もちろん高値預かりした後、値こなしをして相場に近づけるという戦略もあります。
ただ、一括査定は、既に複数の不動産会社と売主がコンタクトを取れる状態です。
そのため、横やりが入る可能性があり、中々思ったようにうまくいきません。
もちろん媒介を預かると一定数交通事故(相場以上で買い付けが入る)はあります。
また、専任物件のポータル掲載は多少なり買主の集客ができるため、そこからの振替も期待できます。
ただ、あくまで元付けとして数字を上げていくのであれば、適正値での査定にこだわったほうがいいかと思います。
なお、ここで一つデータを。
私が一括査定の責任者をやっていたころ、一括査定を利用した売主の物件が実際に売りに出てるか調査してました。
その時に、200物件程私が査定をし、売出物件が相場とどれくらい乖離してるか調査したことがあり、その時のデータです。
私が勤めていた不動産会社では、媒介物件を3つのランクに区分してました。
Aランク:相場からの乖離が5%以内/月内契約を狙う物件
Bランク:相場からの乖離が5%~10%/3ヵ月以内の契約を狙う物件
Cランク:相場からの乖離が10%以上/値こなししないと売れない物件
そのため、10%以内であれば、一応契約を狙える認識です。
(不動産会社様によっては「高い!」と言われそうですが、、)
私が調べた限りでは、一括査定を使った売主の3/4以上は、適正値に近いところで販売活動を行っているということ。
つまり、高値勝負をしなくても、十分預かれる母数は多いということです。
高預かりも値こなしまでしっかり想定されてれば戦略としてはありだと思います。
ただ、適正値勝負をしても、十分勝算はありますので、ご参考にしていただければ幸いです。